西洋占星術 ハウスの意味：ハウスは地上の領域

サインが天の領域とすると、ハウスは地上の領域を表します。地上で自分の才能を活かしやすい分野について、有益な視点をもたらしてくれます。

サインや天体に比べると、ハウスは馴染みが薄く、私自身、その概念がいまひとつ腑に落ちていませんでした。

けれど、ハウスは地球から見た太陽の動きを象徴的に捉えた視点であることを知ったおかげで、ホロスコープをより深く理解できるようになりました。

なので、この記事では全12ハウスの象徴と併せて、ハウスの成り立ちに大きな影響を与えているエジプトの太陽信仰ついても解説します。ぜひ最後まで目を通していただけたら嬉しいです！

ハウスとエジプトの太陽信仰

現在占星術と呼ばれている分野も、天文学と呼ばれている分野も、もともとは同じ科学領域でした。そのため、占星術においても、実際の天体の動きや特徴を象徴的に取り入れている事柄がたくさんあります。

ハウスの成り立ちにおいては、エジプトの太陽信仰が影響していると言われています。

エジプトでは、地球から見える太陽の1日のサイクルを、東の地平線から甦り、西の地平線に死を迎える太陽神の旅と考えていたそうです。

太陽神の旅と同様、人間も死後、西の地平線に導かれ、星を追うとの思想を持っていました。そのため、東は始まりと生命力に結びつけられ、西は死、衰え、弱さと結び付けられていました。

この太陽信仰が象徴的にホロスコープに組み込まれているのが、アングルです。

アングルとは、ホロスコープ上に表示されるIC（アイシー）、AC（アセンダント）、MC（メムシー）、DC（ディセンダント）の４つの感受点のことです。

感受点とは、天体ではありませんが、ホロスコープを読み解く上で意味のあるポイントです。

アングルは、西洋占星術において自身の枠組みと考えられています。

ラテン語の「底天」を意味するImum caelum（イマム・コエリ）の略語。黄道の地平線の下で、最も低い度数。

4ハウスのカスプ（ハウスとハウスの境界線）

エジプトにおいては、太陽神が新たな姿へと再び生まれ出る、新旧交代のポイントと考えられていました。

黄道と東の地平線の交点。ホロスコープにおいて、４分で１度ずつ度数が進みます。

1ハウスのカスプ

太陽が昇ってくるポイントのため、生命の象徴とされています。物事を始めるときの癖や、その人の外見的特徴を表すと言われています。ホロスコープにおいて重要視されるポイントの一つです。

ラテン語の「中天」を意味するmedium caelum（ミディアム・コエリ）の略語。南中となる黄道上の度数。

10ハウスのカスプ

太陽の放射力が最も強くなるポイントのため、公的な自己として熱望する地位や立場を表すとされています。

チャートの王冠とも考えられており、そこにある天体は強い影響を与えるとされ、ホロスコープにおいて重要視されるポイントの一つです。

黄道と西の地平線の交点。

7ハウスのカスプ

太陽が沈むポイントのため、エジプト思想においては、生命力の低下、力の喪失などと考えられていました。現在は、他者との関わり方（自己意識が薄れる）を表すと言われています。

アングルにはACーDC軸とMCーIC軸の２つの軸が存在します。

地平線よりも上の部分を公的、地平線よりも下の部分を私的な領域と捉えます。

東(左側）は太陽が昇っていくエリアのため、自発的、逆に西(右側）は太陽が沈んでいくエリアのため、受動的な領域と捉えます。

エジプトの天文学者による２時間毎の「時計」に由来しており、東の地平線に星が現れる順序のため、反時計回りになっています。

では、以上を踏まえてそれぞれのハウスの象徴を見てみましょう！

ハウス	自発受動	公私	象徴
1ハウス	自発的	私的	活力、外見、人格と表現方法、気質
2ハウス	自発的	私的	触れることのできる所有物、自らが獲得できる富、物質的な快適さ、収入
3ハウス	自発的	私的	兄弟姉妹、学校生活、短期旅行、コミュニケーション全般
4ハウス	受動的	私的	存在の基盤やルーツに関わるもの全般、両親、土地
5ハウス	受動的	私的	創造的な自己表現、遊び、恋愛、趣味、エンターテインメント
6ハウス	受動的	私的	雇用、健康状態、訓練、調整
7ハウス	受動的	公的	結婚や他者との親密な関係、パートナー、訴訟や紛争における相手
8ハウス	受動的	公的	税金、遺産、性、誕生と死
9ハウス	受動的	公的	海外旅行、高等教育、哲学、宗教、スピリチュアル
10ハウス	自発的	公的	天職、キャリア、名声、社会的な地位
11ハウス	自発的	公的	友人や知人、幸運、より広い社会的な繋がり、大きな目標
12ハウス	自発的	公的	隠されていること、無意識、完全には理解できないこと、秘密